「ひっぽの元気な味噌」は自ら栽培している有機肥料、無農薬栽培の大豆と米と、県内で同じように無農薬で契約栽培してもらっている安心、安全な原材料だけを用いて味噌を造っています。
大豆と米は大釜とせいろを使って薪で蒸し、味噌造りの要の糀づくりは昔ながらの室と糀ぶたを用いて丸二日かけて手作りしています。そして山里の美味しい水と、にがりを含んだ「天日塩」を用いて味噌に仕込み、100年以上たった杉の大樽の中で一年以上かけて天然熟成させています。そんなこだわりの詰まった味噌づくりの一年を一部ご紹介します。
- 春 〜田植えと豆まき〜
- SOYAの春は稲の苗づくりからスタートします。5月は田植えです。苗づくりはビニールハウスではなく、やはり田んぼで。健康な苗が育ちます。
50アールの田んぼすべてに稲を手植えします。尺(30cm)角に植えると除草機が縦横に押せるからです。
- 夏 〜田んぼの除草と豆畑の草むしり〜
- 農薬を使わないので、初夏はとにかく草とのかけひきです。田んぼは除草機押し。田んぼの雑草が生えるのを抑えるためと、肥料にするために米ヌカを田んぼ一面にまきます。
豆畑は土寄せに草むしりです。土寄せや草むしりが終わり、ここまで大きくなればもう草に負ける心配はありません。
- 秋 〜米のはせ掛け、豆の収穫〜
- 収穫の秋です。10月に入ると稲刈りです。今はコンバイン収穫に、火力乾燥がほとんどになってしまいましたが、SOYAでは「はせ架け」して天日乾燥しています。
バインダーで刈って、稲束をはせに架けて1ヶ月ほど天日乾燥して脱穀します。大豆は、11月に天気の良い日をねらって収穫します。
- 冬 〜味噌の寒仕込み〜
- いよいよこれらの収穫物と契約栽培してもらっている米と大豆とで味噌の寒仕込みが始まります。冬は雑菌が少なく、味噌づくりに適しているのです。糀室(こうじむろ)の中です。糀はむろ蓋を用いた職人の勘による手造りです。真冬に雪のように真っ白な糀が出来上がります。
大豆はかまどで蒸し、チョッパーでつぶして攪拌機で糀、塩と混ぜます。
杉の大樽の中に仕込んだみそを入れ、みそ蔵のなかでねかせます
さらにここから、大樽の中で一年以上寝かせて樽あけし、出荷を始めます。一年寝かせた「一年もの」はやさしい甘みがあり、二年寝かせた「二年もの」はより深いコクが出ます。
スーパーなどで売られている安い味噌は、酵母や乳酸菌、酵素剤などを添加して、人工的に温度を加えて2~3ヶ月(早いもので1ヶ月)くらいで味噌にしてしまいます。また発酵を抑えるために加熱殺菌して菌を殺してしまったり、いわゆる酒精(アルコール)を加えて菌の働きを弱めてしまったり、防腐剤を使ったりしています。
みそ工房SOYAの味噌は加熱殺菌を行わず、味噌が生きたままの状態でお届けしています。山里の自然の中で手間ひまかけて元気に育ったまさに「山里ひっぽの元気な味噌」なのです。